ルルだから守りたかった。
ルルだから助けたかった。 好きだもん。大好きなんだもん。 好きだから守りたいって本当だったんだね、ルル―――。 *** 「シャーリーっっ生きろ!シャーリー!!」 ルルが一生懸命あたしの名前を呼んで、助けてくれようとしてる。
あの記憶を奪った力で、今度も救おうと。 でもね、分かってるんだよ。
うっすらと、もう助からないことなんて。 ぼろぼろと涙を流す彼を見て、後悔なんて一つも沸いてこなかった。
そうだな、思ったこと、感謝かな。 ルルの優しさとあったかさと。忘れたくない綺麗な思い出。 もう死んじゃうからかもしれないけど、いっぱい出て来るの。 初めてルルを好きになったあの時から、二度目に好きになったこの時までの記憶がね、 走馬灯ってこのことなんだね。
好きになった人がルルで本当に良かったよ。
お父さんを殺されても、記憶をいじられても、あたしは嫌いになれなかった。 多分、嫌いになんてなれないんだよ。
それ以上に好きだから、ゼロであるルルも全部含めてルルが丸ごと好き。 味方になってあげたかったけど、世界で只一人の本当の存在になってあげたかったけど、もう無理みたいです。 大好きな人の顔も霞んで判らない。声もあんまり聴こえない。
けど近くにいることだけは確かに判る。それだけで安心していけるよ。 最後にそんな悲しい顔させてごめんね。
ルルには笑っていて欲しかったのに。 嗚呼神様、もしいるのなら願いを聞いて。 あたしが貰うはずだった幸せを全部彼にあげてください。 たくさんたくさん幸せにしてください。 どうか泣き顔なんて作らないように。 無理矢理に笑顔を作ったら、ふっと体が軽くなった気がした。
もう時間がないのかな。 でもこれだけは伝えなきゃ。 「ねぇ、ルル…生まれ変わっても、また、好きに、」
「---っシャーリー!!」 そうして世界は暗転する。
*** 素敵な恋愛をしました。 毎日が輝いていて、とても楽しい日々でした。 一世一代の大恋愛は、私の人生の中の誇りです---。 End.
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