ワルサ―が火を噴いた。

 

 

14話の枢木さんがあまりにも外道に見えたためスザクいじめな話です。

スザク好きさん注意!あとあんまり考えないで書いたためいろいろおかしいです。

深く考えて読まないでください(笑)

アーニャは既に騎士団員設定で、カレンとはケンカするけど仲良しさん。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

黒の騎士団のエースパイロット。
ルル様の一番近くで彼を守れた女。
初めて会った時はあんまり好きじゃなかった。
だって、ルル様にすごく大事にされてたから。
本当なら私がその場所にいるはずなのに、いたいのに。
だからその時はケンカして、ちょっぴり険悪な関係になってしまったけど。
今度会うときは仲直りしろってルル様が言うから、仲直りって思ってたのに。
一緒にルル様を守って、言い争ってケンカして。
今までの私じゃ絶対あり得ないことだった。
そう、あれは初めての《友達》だったのかもしれない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
「スザク、カレンはどうしてたんだよ。」
「…やけに気にかけるね、ジノ。」
 
 
だるそうにスザクが言って、何が楽しいのか弾みながらジノは言う。
だって、俺のもろ好みなんだもん。なんて。
そんな彼の言葉を聞いてスザクは冷ややかな目でそれに答えると、口を開いた。
 
 
「もうダメだよ。」
「……は?」
「リフレインを打ったんだ。尋問に使うのに。」
「お前、いくらなんでもそれはやりすぎ」
 
 
呆れたような、非難するようなジノの声を聞きながら、スザクはどこか遠い眼をしてそう話す。思えばこの男はどこか冷めたところがあった。ここまで冷酷だと思わなかったが、これも一つの結果、仕方ないことだろう。スザクの肩に手をまわしながらジノがそう言ったところで、ふと、気がついた。
 
 
「―――アーニャ?どうしたんだよ。顔色悪いぞ?」
「何、でもない。」
「でもアーニャ、」
「っ何でもない!!」
 
 
のばされた手を振り払うように、少女は駈け出した。
明らかに尋常ではないその後ろ姿は、彼らが追いかけることを拒絶していた。
 
 
 
***
 
 
 
「カレン、カレン!」
 
 
見なければ良かったと思った。
あんなに強かったはずの彼女が、ここまで堕ちたところなんて見たくなかった。
隔たる壁を無くして、急いで近づきその白い手を握る。
アーニャの耳にふと、カレンのか細い声が聞こえた。
ルルーシュ、と確かに彼女はそう言ったと思う。
ゼロでなく、本名のルルーシュと呼んだ。
カレン、カレン、と小さく呼び続けてみるが返事は返ってこない。
否、もう二度と返ってくることがないのだと、小さな胸はずきりと痛んだ。
 
 
「―――アーニャ、何してるんだ。こんなところで。」
「…スザク。」
 
 
目の前には、憎い人。
自分と同じラウンズの服が、これほど憎らしく思えたことはない。
険しい顔でこちらに来るスザクに、アーニャも負けじと睨み返した。
 
 
「何故ここにいる。君への入室許可は出ていなかったはずだ。」
「どうしてこんなことしたの?」
 
 
尋問だけならここまでする必要無かったはずだと言えば、スザクは色を失くした瞳で静かに表情を変えた。変えた、と言っても焦りや後悔なんかじゃない。まるでそれは憎しみのような。
 
 
「…手段なんか選んでいられないんだよ。もう僕たちは犠牲を出しちゃいけないんだ。」
「犠牲を食い止めるのにまた別の犠牲が伴うとしても?」
 
 
はっとしたように息を飲む音がする。
この様子じゃ考えていなかったのかもしれない。
いや、この場合考えたくなかった、の方が正しいか。
対峙して、冷静になれるかと思っていた頭は熱く、爆発しそうだった。
 
 
「そうやって一つのものを傷つけ続けて何が面白いの?」
「…え?」
「あなたの犠牲はいつだってルル様じゃない!自分の懐からは何も出してない。本当に犠牲になったのはルル様の思いや尊厳や信頼や…宝物じゃない…っ」
「どうしてそこにルルーシュが!!」
「妹姫様を奪って楽しかった?唯一彼をゼロだと知ってそれでも付いてきてくれた仲間を奪って楽しかった?取り上げるの楽しい?全部の罪をルル様に押し付けるのは楽?」
 
 
気がつけば涙が頬を伝っていた。
こんなに感傷的になったのなんていつ以来だろうか。
見るとスザクは薄い唇を血が出そうなくらい噛みしめている。あぁ、怖い顔。
 
 
「アーニャ、君はやはり彼と繋がっていたんだな。」
「だったら、何?」
「第一級テロリストとして君も拘束する。」
「できるの?…あぁ、あなたは奪うことしか出来ないから?また力に任せて奪うのね?」
 
 
でも、とアーニャは言葉を紡ぐ。
 
 
「まだ駄目。私はルル様を悲しませたくない。最後の最後になっても、私だけは傍にいるって約束したの。ルル様に誓って。」
 
 
スザクの手がこちらに伸びようとするがその前に愛用のワルサ―PPを抜いて照準を定める。あとは引き金を引くだけ。スザクの右太ももへと弾を放つ。吸い込まれるようにして発射されたそれは鈍い音を響かせて制服を紅く染めた。
 
 
「殺しはしないわ。あなたもルル様の大事なものに組み込まれているから。でも、その彼が要らないと言った日には…容赦なくその心臓を打ち抜くと思って。」
 
 
 
 
 
 
もう奪わせない。
貴方を傷つけるモノは私が全部壊してあげる。
 
 
 
 
 
End.