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無謀にも「うみねこ」パロです。
パロるにあたって色々設定を弄ったので読まないとわけわからなくなるかもです←
ルルーシュ・ランぺルージ
超お金持ちなランぺルージ家のご令嬢で序列第二位。
夫はスザクさん。でも仲はあまりよろしくない。
ランぺルージ家は男尊女卑なので、ルルーシュ本人は家督を継げず代わりに夫のスザクが次期当主予定。
自分で設立した会社があるが、最近不景気で負債まみれ。
スザク・ランぺルージ
ランぺルージ家に入り婿として迎え入れられ、当主代行として日々健闘。
本人は血は引いていないがランぺルージの家を誇りに思っている。
故にいろいろ頑張るが妻には目もくれられず、他の親族からも「何だ余所者のくせに」と邪険に扱われる。
ロロ・ランぺルージ
ランぺルージ家序列第四位のお坊ちゃん。
ものすごく毒舌でものすごくスザクのことを嫌っている。
ルルーシュ姉さんともあんまり仲がよろしくない様子。
三人で遺産争いの話をさせてみましたなそんなお話。
***
「…お前達は遺産配分について焦りすぎじゃないのか?父上だってまだ御健在だろう。」
顎の下で手を組んだルルーシュは偉そうにそう言う。
不快感を隠さずに表情に出して見せたロロは、唇を弧を描いてにっこり笑って言う。
ただしその目が少しも笑っていないことは明白だ。
「そんな事ないですよ?父上だっていつか必ず死にます。こういう話は一度きっちりしておくべきなんです。むしろ僕には姉さんがその話題から遠ざかりたいように思えるんですが。」
「ーーーッ!?」
ルルーシュの隣に座っていたスザクが息を呑んだ。
ロロの不敵な顔が変わることはない。
「そう、例えばーーー横領、とかしてるんじゃありません?」
「……なッ!!」
「聞けば姉さんの会社は結構な額の負債があるそうじゃないですか。なのに今ものうのうと営業はしている。じゃあその軍資金はどこから出てるんです?父上の財産からちょろまかしてるんじゃないですか?」
嘲るように、憐れむように言ったロロは扇子をパタパタと動かす。
次期頭首のスザクにしてみれば、耐えられない侮辱であることには違いなかった。
激昂した彼を止めようとする者などいない。
ただ場には不穏な空気が流れるのみだ。
「ふざけるな!!頭首様に対する不穏当な発言!次期頭首の妻を貶めるような発言!貴様には既にこの栄光あるランペルージ家の敷居を跨ぐことなど許されない!即刻この部屋から出て行くがいい!!」
扉の方を指差して怒鳴るスザクを、静かにロロは見つめた。
未だ扇子を動かしながら笑みは崩すことがない。
「ねぇスザク兄さん、誰に向かってそんな口をお利きなんです?」
「妻の弟に対してだ!!これ以上口が過ぎるようであれば、本家の台所を預かる者として我慢ならない!!」
その言葉を聞いて、クスリと笑う声。
ルルーシュは軽く眉間に皺を寄せて黙っている。
やがて沈黙を破り、騒々しい音を立てて椅子を引きロロは立ち上がった。
「……黙るが良い下郎がッッ」
「―――!?」
扇子をピシャリと閉じてスザクを射るように向けると、凄まじい怒りの形相で一方的にまくし立てる。
指されたスザクは身を動かせずその場に固まるだけだ。
「家紋をその身に纏うことすら許されない下男如きがランペルージ家序列第四位の僕に下がれとッ!?お前が下がれ!ランペルージの血を引かぬお前など所詮跡継ぎを残すためだけに存在を許された道具!道具如きが過ぎた口を!身の程を知るが良いッッ!!」
更に追い詰めるような視線がスザクに向けられる。
扇子はいつの間にか彼ではなく出口の方を向いていた。
何も言い返すことが出来ないスザクをルルーシュはやれやれと言ったように見つめ、漸く口を開く。
「…スザク、お前は少し頭を冷やしてくるといい。」
「―――なっ!ルルーシュ、君まで!」
「…ですって。聞いてました?スザク兄さん。」
ロロが愉快を形にしたように笑った。
その目は「早く出ていけ」と物語っている。
察したスザクは悔しそうにロロとルルーシュを一瞥すると勢い良く部屋を飛び出していった。
ルルーシュの視線が、彼を追うことは最後までなかった。
End.
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